やっぱり多い社交不安障害
当クリニックを開設するにあたって、重要なターゲット疾患の一つと考えたのが、社交不安障害です。諸外国での調査では生涯有病率は10から20%と非常に多いにもかかわらず、別名「無視されてきた不安障害」といわれ、ほとんどの患者様が専門的な治療を受けておられません。それは、本人も単なる「内気」「性格の問題」と考えてしまいやすいことや、治療者側も重要な疾患と捉えてこなかったという理由のようです。
この病気は、強い対人場面での緊張が主症状です。人前で話す・電話をかける・字を書くなどの際に、緊張して、動悸・発汗・赤面などが起こり、また、手や声が振える、頭の中が真っ白になってしまう、といった具合です。この背景には、「他人から否定的な評価(馬鹿なやつ、だめなやつ、退屈なやつ、変なやつ)を受けるのではないかという怖れがあり、それに捕われているという心理状況があると考えられています。
当クリニックでは、この社交不安障害を重点疾患と位置づけ、以下のような治療を提供しています。
①薬物療法:学習された不安・恐怖に有効なSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を中心としています。
②認知行動療法:他者から否定的な評価を受けるのではないかという過剰な危険の認知や、対人場面における自身の状況を誤って解釈するといった患者様の偏った捕え方・考え方を合理的・現実的考え方としていくために、行動療法を行います。現在は個人療法のみですが、より効果的な集団療法のメンバーを募集中です。
③カウンセリング:そもそも、なぜ社交不安障害という病気になったのか?という問題をカウンセラーと探っていきます。もちろん一つだけの原因が判明するわけではありませんし、誰にでもお勧めしているわけではありません。しかし、経験上、この病気の方は「自分に自信を持つということに失敗してきた」という生活史を持っている方が多く、傷ついた自己評価を抱えて、もがいてきた方が多いようです。カウンセリングでは、自己評価の傷つきがどのように生じてきたか、そして、それが、今までの人生にどのように影響してきたか、さらに、自己評価を再建していくにはどうしたらよいかを話しあっていきます。
もちろん、まず、薬物だけの治療から始めることもできます。ある会社の取締役の患者様は、本人の希望でほとんど薬物療法のみですが、「こんなに楽になるならもっと早く治療を受ければ良かった」とおっしゃっています。こころあたりの方はお気軽に受診してみてください。
社交不安障害の原因、治療、診療などご不明な点がありましたら、
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