睡眠時無呼吸症とメンタル疾患の関係
2008年に発表された久留米大学で行われた研究によると、睡眠時無呼吸症(SAS)患者の27.6%に何らかのメンタル疾患が見られるとのことです。最も多いのは、うつ病で、順に、不安障害、不眠症、双極性障害と続きます。
そうすると、メンタルクリニックにかかっている患者さんの中にはSASを合併している人が少なからず含まれているはずです。
当院でも、SASが疑われる人に対して、検査を受けてもらい診断がついた方が何人かいらっしゃいます。しかし、総数としては決して多くないため、きっと、まだSASの合併を見落としてしまっているケースがあるのではないかと思っています。
メンタル疾患とSASが合併した場合、SASの治療を同時に行った方が、メンタル疾患の治りがよくなることが分かっています。裏を返せば、SASを見逃して、メンタル疾患の治療だけを行った場合は、治りが悪くなることがありうると言うことになりますから、いかにSASを見逃さないかはとても重要な問題です。
私の経験では、短期間に急激に体重が増えた場合、通常それほど眠気が強くなりにくそうな薬で眠気が強く出る場合、などが怪しいです。
簡易チェックリストもネットで検索すると出てくるので、一度はやってみると良いでしょう。