先日、当院受診者の診断分類統計を出してみたところ、3割以上の方が「適応障害」という診断でした。適応障害とは、はっきりと確認できるストレス因子に反応して起こる情緒面や行動面の症状が認められ、他の病気ではうまく説明されない場合につけられる病名です。具体的にはうつや不安症状が多いのですが、うつ病の診断基準を満たすほどではないようなものとなります。ただし、症状からはうつ病と見分けにくいものもあり、経過を慎重にみる必要がある場合があります。
当院にいらっしゃる患者さんの訴えるストレス因の第1位は「業務に対する負担感」、第2位は「職場の人間関係」です。「業務に対する負担感」は、実際に誰にとってもつらいだろうなあと思われる過重労働のこともあれば、本人の能力と要求される業務内容のギャップからくる主観的な苦痛が強い場合、業務を一人で抱え込んでしまい周囲のサポートを上手く求められないといった本人の性格的なものに起因する場合とさまざまです。
「職場の人間関係」では、圧倒的に、「上司とうまく行かない」がトップです。また、そのような上司のタイプとしてよく聞かれるのは「気分屋」「ヒステリックに怒鳴る」「えこひいきをする」「業務内容を理解しておらず指導力がない」などです。