お身体の不調を感じたら
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下痢型の過敏性腸症候群も当院で多い病気です。
過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つからないのに、便通異常と腹部症状が続く病気です。
英語では、Irritable Bowel Syndrome(IBS)といいます。
下痢型は、緊張場面や乗り物の中で、頻回に腹痛や排便したい気持ちが高まってトイレに行かなければならなくなるものです。
IBSには、他に便秘が主症状の便秘型、ガスが多くなるガス型などがあり、それぞれの型で重複や移行がしばしば認められます。この中で、「トイレに駆け込まなくてはならなくなる」下痢型がもっとも日常生活上困難を生じるようです。
下痢型の人は、出勤前の朝が大変です。排便が1回で済むことが少なく、大抵3回以上排便するようです。
実際には、便意を感じても便が出ない「空振り」も多いのですが、患者さんは「空振りの便意」か「本当の便意」かの区別はつきません。
通勤電車の中でも、駅ごとにトイレに行く場合さえあります。
トイレにいけない状況を怖れて、停車駅間の時間が長い急行や快速を避ける傾向も認めます。
便意と共に動悸や息切れなどの不安症状を呈する場合はパニック障害との鑑別が必要になりますし、パニック障害を合併する症例も認めます。
薬物療法としては、当院では、抗不安薬と三環系抗うつ薬を組み合わせて使用することが多いです。
三環系抗うつ薬は古いタイプの薬ですが、腸管蠕動を抑える働きがあります。
この作用は、うつ病の治療の際は、困った副作用になることが多いのですが、下痢型IBSでは下痢を抑えてくれるありがたい作用となります。
また、漢方薬の併用が有効なこともあります。
薬物療法を補助として、心理学的治療としては、上述した悪循環を断ち切るための行動療法を行っています。