「問題」と「その人」を分けることが非常に大切
「自尊心が低くネガティブに考えがちで、他者の些細な言動に対して卑屈になってしまう」というAさん。
私が、Aさんにお伝えしたことを書いてみます。
ネガティブに考える、自尊心が低い、などを自分の性格ととらえると、問題=自分であり、自分が悪いから治らないという自己暗示になる。自分が悪いと思っている人は力が発揮できない。治すためにはその人の力を活かすことが必要。
ネガティブに考えるのはAさんがネガティブな人間なのではなく、単なる「脳のくせ」です。「ネガティブぐせ」と名付けましょう。また「ネガティブぐせ」は悪いことばかりではなく、「物事の本質を見極める能力」という良い側面も持っています。
我々の目標は、この「ネガティブぐせ」をうまく扱って、過剰に悪い面が出ないようにコントロールしていくことです。
自尊心が低いというのも、同様に、Aさんの性格と考えるのではなく、今までの経験から身に着けた、自分自身についての見方や考え方の習慣にすぎません。「心の姿勢」と言ってもいいでしょう。「心の姿勢」は習慣的な考え方や行動から作られるので、自尊心のしっかりした人間になるというよりも、自尊心のしっかりした人はこういう考え方をして、こういう行動をとるだろうということ想定し、それを実践していけばよい訳です。
自尊心のしっかりした人は、他人から何か言われたときにどんな反応をしそうですか?自尊心のしっかりした人は、毎日の生活をどのように過ごすでしょうか?
そうは言っても、突然、予想外の他人の言動に左右されて卑屈になることはありえますね。
その際、対処法があったほうが良いでしょう。
まずは「卑屈になっている」自分を責めない。自分の感情をそのまま認める。できれば、批判的ではない友人に気持ちを聞いてもらう。
いつもの生活をていねいに行う。生活リズムや食事、運動など、できるだけ自分がこうありたいと思う生活をきちんとやることです。
他人の言動でショックを受けると卑屈になることは人間ならば割と良くある心理的な反応であり、一般的には3日くらいするとショックから回復してくるものだという知識を持つ。
その上で・・・
他人の言動に卑屈になってムカつくのは「今の自分を自分で認めていない」からかもしれません。自分で自分を認めるために、Aさんには何が足りないのでしょうか?容姿やお金、きれいな彼女がいるといった「外的な条件」などではなく、自分は何を大事にして生きていきたいかという観点で考えてみてください。価値観というやつですね。これは仕事をどうしていくかということとも関係があるような気がします。つまり、Aさんは、今後、何を大事にして生きていきたいか?ということです。そうすると、どういうふうに働いていくことがAさんにとって良いことでしょうか?ということにもつながりそうです。