劣等感による感情不安定にどう対処するか
劣等感は「自分はこんなものじゃない」という向上心の現れ。劣等感を刺激されてもそのままの自分をまずは受け入れる。「いろいろな事情の末、今の自分がある。だから、今はこれでいい」。劣等感を覚えることがダメなのではないということを自分にいつも言い含めておく。
頭の中の思考(やはり、自分はダメじゃないか・・・)ではなく、「今、ここ」の目の前の五感に意識を集中する。美味しいものを本当に味わってゆっくり食べる。気持ちのいい音楽を聴く。運動して気持ちよく汗をかく感じに集中するとか。
人は誰でも劣等感を強く刺激されると、3日くらいは「ショック」を受けて、とても自信がなくなったように感じる「衝撃反応」が起こることを知っておく。この3日間は、自分をいたわり、ルーティーンの日課を淡々とこなす。生活リズムや食事、運動など、できるだけ自分がこうありたいと思う生活をきちんとやることです。この間は、新たなショックを重ねないようにする(例:自慢好きな友人と会うのを控えるなど)。
冷静さが戻ってきたら、その時に刺激された劣等感は自分に何が足りないことを教えているのかを考える。容姿やお金、きれいな彼女がいるといった「外的な条件」などではなく、自分は何を大事にして生きていきたいかという「内的な価値観」という観点で考えてみてください。
その足りないものを手に入れるために、現実的かつ可能な手段を考えて実行する。行動だけが劣等感を解決する道です。
また、同じようなことがあっても、いつもより劣等感を刺激されなかった経験があれば、その時はどんなことが役に立ってきたかを考えてみてください。それを再現することも有効。
いつも自分を他人と比べていると劣等感を刺激されやすい。他人ではなく、過去の自分と今の自分を比べるようにする。できるようになったこと、成長できたことを書き出す。
他者や社会に貢献することを大事にしていると劣等感を刺激されにくい。小さなことでいいので、他者や社会に貢献することを考えて実行する。この時、誰かが認めてくれなくても、自分で自分を認められることを念頭に置く。
ただし、こういうことは確かに正しいが、気持ちを揺さぶられている瞬間には無力!!そこで、即効性が期待できる方法を提案します。
「表情筋トレーニング法」
人間の脳は、表情を作ることで脳内ホルモンの分泌を変えることができる(証明されている)。
つまり、脳は「作り笑い」でも騙されてしまうということ。これを利用するのが表情筋トレーニング。
ただし、ネガティブな気持ちに陥っているときに、ただ作り笑いをしても思ったほどの効果は出ません。それは、ネガティブな感情にどうしてもとらわれてしまうからです。そこで、一工夫。「感情を流す」テクニックを組み合わせます。
やり方
①鏡の前で、ネガティブな気持ち、例えば怒りなら、できるだけ怒った表情をする。コツは、これ以上できないくらいに怒った顔にする、誇張すること。そして、同時に心の中でできるだけ強く怒りを感じ続けようとしてください。人間の脳は極端なことをやり続けることが苦手なので、必ずどこかでばかばかしくなってきます。
②ばかばかしくなってきたら、今度は思い切り笑顔を作ってください。笑顔を作るときは無理に楽しい気持ちになろうとせず、表情を作ることに集中してください。笑顔を10秒、そして5秒休み、また笑顔を10秒、5秒休み・・これを5セット繰り返します。
③終わったら、元々あったネガティブ感情、怒りなどがどの程度減っているか数字で表現してください。元々10だったのが3になったとか。
効果がなければ、①~③を再度やってみてください。最初は10が9になるだけでもOK。繰り返しているとうまくなります。
怒り以外でも、卑屈さ、嫉妬、失望などいろいろな感情に対応した表情をトレーニングしてください。